バネ足ジャック―スプリンガルドと呼ばれた男

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やがて、君のポストに届く結末

厚く塗られた化粧はFANCLのクレンジングオイルにて手軽に落とせると聞く。

そこにあって、お水関係ないしコスプレイヤーたちのメイクなどは、スクラッチカードがごとく頑強に表面を偽装しており、削り落とすにも手元に硬貨がない場合たいへんな苦労を要する。彼女たちの一人は、我々の取材に対し、メイク落としに使用できるような硬貨をつねに持ち歩いている事実を暗に認めた。

が、ことオカルト事件の脚色・捏造となるとそうもいかない。化粧をそぎ落とす便利なコインなど存在せず、地道な調査と丹念な検証によって、少しずつベールを剥がしてゆくしかない。そしてそれは時にタマネギがごとく、剥いても剥いても芯に辿りつけず、やがて実体そのものさえ失ってしまうこともしばしば、なのである。

近年では画像や動画の加工技術も格段の進歩を遂げており、『事象』は簡単に素顔を見せてはくれず、懐疑論者たちの儲かりもしない調査業務を増やし続けている。

たとえば
とうとう長年にわたる功績と貢献が認められ、ざわちんがAdobe社から表彰される予定
という消息筋からの情報がいまオカルト界隈を飛び交っている。

耳を疑うような怪情報であるが、これは今作ったデッチ上げである。
即席のデッチ上げではあるが、この『ざわちんAdobe社から表彰』というデマを否定するには、この嘘をついたオカクロ特捜部よりも遙かに大きな時間的・金銭的コストが必要となる。

そもそも自撮りの加工にはAdobe-photoshopではなく、iPhoneアプリが使用されたのだよ、だから表彰はAppleがすべきだ――という、やはり消息筋からの異議もあった。
冗長な冗談はともかく、かくして、低コストな嘘・デッチ上げが途方もない早さで生み出され、世間に広まり、その一方高コストになりがちな懐疑的調査はその産出スピードに到底追いつけず、最悪の場合捨て置かれる――ワケである。

ことバネ足ジャックにまつわる逸話も、コストと手間をかけられた地道な調査の結果、メイクの下の素顔が少しばかり明らかになった。

たとえば、バネ足ジャックを扱った書籍のなかで、特に多く引用されてきた作家ピーター・ヘイニングの著作『The Legend and Bizarre Crimes of Spring-heeled Jack』。

この著作内で取りあげられた様々な事件について、(オカルト関係にありがちではあるが)そのソースが存在しなかったり、かなり脚色された可能性がある、と高コスト調査のマイク・ダッシュが指摘している。

ダッシュは膨大な資料をあさり『ジャックが殺人を犯した』とされるジェイコブズ・アイランドで起こった『マリア・デイビスの殺人』ケースを調べ、該当する期間にそのような検死等の公的な記録が存在しないことを確認した。

そして誰かがマリア・デイビスのケースに言及する際に『フォリーディッチ橋からマリア・デイビスの遺体を回収する図』という説明書きがつけられる絵も、事件とは全く関係の無いイラストであったことも確認している。

フォリーディッチ橋からマリア・デイビスの遺体を回収する図とされている図。

小舟に乗った二人の男が川で何かをしていることが分かる。これは実際にフォリーディッチ橋付近――ジェイコブズ・アイランドの風景を描写した一幕には違いないが、言及されてきたように殺人被害者の少女を泥から引き上げているモノではなかったことがダッシュの調査によってわかっている。何らかの理由で川から鍋で水をくみ上げているところ、だそうだ。


さすがのマイク・ダッシュである。
『モテない・儲からない・容易でない』という、3ない3重苦である懐疑的調査から距離を置いたと見せかけて、やはり3~4重苦で知られる歴史研究に主戦場を移した男は違う。

話がそれがちだが、こうなってくると、ピーター・ヘイニングが著作で大々的に取りあげた『ウォーターフォード侯爵犯人説』に対し、その細部や概要に脚色・捏造が加えられているのではないか――と疑うのも決して無責任ではなかろう。

客観的なソースが残されているアルソップ家のケースなどとは違い、『その時期にその場所に滞在していた』という状況証拠に過ぎないモノばかりではフンワリしすぎているし、ウォータフォード侯爵にまつわる逸話だってどこまで本当か、わかったモノではない――でしょう?

そうして仮に、ヘイニングとその後継たちが主張してきたように侯爵が犯人だったとして、はたして伝えられるような一連の犯行は可能だったのか? バネ足ジャックを演じることは可能だったのか?
これを一つずつ見てみよう。

驚異的なジャンプ奴


ジャックは『バネ足』の名があらわす通り、まさに超常的な跳躍力を誇っており、最大で6~7メートルもの高さまで跳んだという。

高い生け垣、壁、積み上げられた干し草、走行する馬車、運河。それらをひと跳びにしたという逸話は多数にのぼる。

そのなかでも、ウォーターフォード候の関与が疑われるケースだけを見ても、やはり超人的な跳躍力が言及されている。

超常的、超人的、と表現されても、現実的な跳躍力の限界を知らなければ比較しがたい。
では、アスリートの頂点に立つ、オリンピック選手――彼らの記録を見てみよう。

比較に適した競技として、走り高跳び(註:助走をつけて高所に配置された棒を跳び越える競技)の世界記録を参照してみれば、1993年7月27日にキューバのハビエル・ソトマヨルが『2メートル45センチ』を跳んだ。これは現在でも破られておらず、ギネス記録にもなっている。
ちなみに日本人による最高記録は2006年の醍醐直幸選手による2メートル33センチになっている。

トップアスリートで本人の身長に50㎝ほど足した高さ、成人男性でおおむね2m弱ほど。このあたりが最大限に現実的な数値となるようだ。しかもこれは着地の姿勢を考慮しない前提でのジャンプとなる。
対するバネ足ジャックは6m。たしかに超人的であると言える。

仮にウォーターフォード候がスーパーアスリートだったとしても、さすがに6メートルという数字に現実味はなく、当然「侯爵は何かしらの補助器具を使用した」とされる。

侯爵を別にしても、やはりジャックが『バネ仕掛けの靴』を使用していたに違いない、という言説は古くからあり、1838年1月10日付けの『The Morning Chronicle』紙に『spring shoes』という表記が残されている。

ウォーターフォード犯人説の論者は、侯爵が工学の高度な知識を持っていた友人の助けを借りてバネ足靴を開発した――とすることで、この跳躍問題の解決を図った。が、もちろんそのような事実を示唆するような証拠や証言は残されていない。

前述の『セブンリーグ・ブーツ説』で触れた事例、ノーフォークの廃屋で見つかった靴に関連してマイク・ダッシュが以下のように言及している。

しかし、『バネ足靴』が実用に足るモノであるかどうかには、疑問符がつきまとう。
第二次世界大戦の初期にあたる1938年に、ドイツ軍がバネ足靴の実用化を目指し、パラシュート部隊にそのギミック靴を装備させたことがある。
ヴァイナーはこの事実を知らなかったようだが、その靴を履くことによって、通常に比較して85%も足首骨折が増加したという。
このいかにも『怪しい話』を引き合いに出すまでもなく、バネ足靴は現実的とは言えなさそうだ。
(中略)
バネ足靴はコントロールが難しく、使用する場所にも気をつけねばならない。かたい地面以外では期待される効果が得られないのは明白だが、報告された場所――ビクトリア朝初期の国道、アルダーショットの荒地、ペッカム、 シェフィールドの公園――はその限りではない。

Spring-heeled Jack To Victorian Bugaboo From Suburban Ghost

このドイツ軍うんぬんの話は、もともとピーター・ヘイニングが著作『The Legend and Bizarre Crimes of Spring-heeled Jack』で触れたものだが、これは実際に怪しい話となる。

このドイツ軍バネ靴装備のソースを探したダッシュは、2013年のインタビューにて
人生の数週間を無駄にした
と語り、ピーター・ヘイニングへの恨み節をボヤいている。懐疑派あるあるである。

どうもヘイニングは著作で色々とやらかしているようで、彼の著作をジャックの『研究資料』することは男子中学生が『Hot-Dog PRESS』を読んで性について学ぶに同じ……と考えて良さそうだ。

とれはともかく、ジャックの跳んだ『高さ』の比較としては、棒高跳びのバーの高さを想像すると良いかも知れない。敬意をもって『鳥人』と呼ばれたセルゲイ・ブブカがちょうど6メートル14センチの棒高跳び世界記録を出しており、ジャックはその高さぐらいまで跳躍したということになる。

6m↑を跳ぶ世界記録保持者セルゲイ・ブブカ。
棒高跳びのトップアスリートたちは、現在でも6メートル弱で切磋琢磨しているので、この高さを想像するとだいたいジャックの最大20~25ftとされる跳躍力と重なる。
画像出典:Sergey Bubka – WR Indoor Donetsk 21 feb 1993


実際に想像してみれば、仮に強力なバネを仕込んだ靴を作ったとして、かつそれが6メートルもの高さまで到達できるモノとしても、着地は常に命がけとなる。

頭から落下――は言うに及ばず、無事に靴を下にした状態で着地できたとしても、足首には落下分の負荷がかかることになる。これでは普段はフレンドリーな生命保険の勧誘員たちですら青ざめて目をそらすだろう。

空中で姿勢を制御できる、もしくは重力を操れるロスト・テクノロジーを『友人』が有していた――ならあるいはであるが、どうも現実的ではなさそうだ。


現代になって、多少現実的なバネ足靴が作られているので跳躍に興味ある諸兄は以下のyoutube動画にあるアイテムを買ってみると良いかも知れない。
個人の身体能力によるところも大きいのだろうが、装着することによって車ぐらいは跳び越えられるようだ。



再現するならば、一番近い形が上記のモノになるのかも知れない。動画内ではアルダーショット兵舎のケースで報告されたような、人の頭上越えが披露されている。

ただ、やはり足首にかかるであろう負担を分散させるためかガジェットが膝以下の下腿を中心に装着されており、露骨に目立つ。そのため、様々なケースで報告された『革のブーツ』という特徴とは掛け離れてしまう。

そして、これほど現代の工学を駆使した大仰な装置をつけても、6mは跳べそうにない。

報告されたケース自体が大きく誇張されている可能性は少なくないものの、『超人的な跳躍力』はジャックを形作る重要な要素であるからして、やはり2mぐらいは跳躍したのではないかと思われる。

バネ足靴が非現実的だとなると、ウォータフォード候はいかようにして超人的な跳躍を演じて見せたのか?

ほかに考えられるモノとしては、やはりロープ・アクションになるのだろうが、これに関しては下準備と人手、大がかりな装置とシナリオが必要になるのは明白なので、ちょっと厳しい。
ただ『人手』に関しては、ある事例でジャックが逃走したときに落とした物を何者かが回収した――という話もあり、協力者がいた可能性は排除すべきではない。

ちなみに、1837年の秋にはケンジントン宮殿の壁を華麗に跳躍する――ことなく、頑張ってよじ登っている姿が目撃されている。何がしたいのかは良くわからないが、高いところは好きなようだ。

灼熱したような赤い眼奴


大きな赤い目をしていた――という証言も注目すべきかも知れない。
この特徴をしてモスマンとの類似を指摘する向きもあるが、ちょっとした相違点がある。

モスマンのソレは『暗闇に光る、二つの赤い眼』だったという証言が多いが、ジャックのソレは赤かったというだけで暗闇に光っていたとする証言は見当たらない。

たとえばジェーン・アルソップも、最初、玄関先の門にやって来た外套の男と対面したときには赤い目に気がついていない。気がついたのは明かりを持って戻り、ヤツの顔が照らされたきたときだ。

ジャックの犯行の多くは夜に行われたため、目が光っていたなら夜陰の中でも目立つ。なのに、多くの場合、被害者たちは近接状態になってようやくその特徴を観察している。
となると、ただ赤いだけの目だったとするのが妥当となる。

これならば再現は可能にも思えるが、侯爵犯人説論者は「小細工など不要」と主張する。例の『眼病』によって、ウォーターフォードの眼は真っ赤に充血していたに違いないからだ。
ただの充血が誇張され、やがて『赤熱する石炭のような』と表現されるに至った――というわけだ。

前述の文化根源説論者ならば、ここで先行して流布されていた空想生物の特徴について言及するかも知れない。

たとえば、『燃える目』というのは、悪魔バフォメットなどに代表される冥府の住人たちによく見られる特徴で他にもフォルネウス、アロケンなど枚挙にいとまがない。同様に『火吹き』を行う存在もマルコシアス、アモン、ベレト、ギリシア神話ケルベロスなどの多数にのぼり、冥府関係者の一団にあっては無個性、ありきたりの能力となっている。

英国で噂になってきた伝説のUMA『黒犬』なども赤熱する石炭のような目を持っていると言われており、不吉なモノ、好まれざる存在が赤目をしているという文化的素地は苦労せずに多数見つけることが出来る。

この赤い目を再現するに――健康被害を考慮しなければ、いくつかの方法が考えられるが、そこまでせずとも単純にマスクなりかぶり物なりに細工すれば再現は容易かも知れない。

危険な爪をつけ奴


これに関してはどうということもないが、悪魔的な特徴と言われればそうとも言える。

ただそのような危険な凶器、鉄爪なりベアクローなりを装備した状態で女性の胸を鷲掴みにする、などという行為は紳士としてあるまじき行為である。

犯行の動機


良識的な判断としては、やはり地球人類種オスによる悪戯・愉快犯的犯行が疑われる。

一連の事件を起こしたジャックが、おそらく確固たるターゲットもなく、そして得られた利益もなさそうなのは、騒動なり世間にセンセーションを引きおこすのが目的だったから――ゆえに動機らしい動機などいくら探しても見つかるはずがない、という考え方だ。

『羊の皮をすっぽり被った』ジャックが跳び越えたとされるニューポート・アーチ。
下の写真も19世紀に撮影されたものなので、ちょうどジャックが跳び越える前後の時期となっている。跳び越えたと伝えられる橋の高さが、ちょうど民家の2階の高さほどに相当するのがわかる。
写真左側の民家は取り壊されているが、橋そのものは補修をうけてはいるが現在も残されており、跳び越えんとするお調子者挑戦者たちの心を粉砕し続けている。


あまり適切なたとえではないかも知れないし、あまり意味のある推測とも言えないが、仮にバネ足ジャックと呼ばれた怪人が、体の一部への性愛(註:パーシャリズム、胸や脚、臀部などが代表的)にハマりこんだ性的倒錯者であったと仮定するとどうだろう。

彼の場合、ターゲット層は若い女性で、さらに照準を細かくすれば胸への執着が資料からうかがえる。そして一部の被害者は服を破られ、爪で傷つけられてもいることから、ピケリズム(註:piquerism-相手の身体を刺したり切ったりする行為によって満たされる性的欲求)の傾向があったかも知れない。この傾向は加虐志向を持つ者に多く見られるがゆえ、性的にはサディストだったろう。

そうして、犯罪者のほとんどがそうであるように、性犯罪者にも『成長』と『段階』というプロセスを踏む。

この場合の『成長』は、手口の巧妙さ、事を起こす前後の段取り、被害者を選定する効率、そして犯行に及ぶ場所――などが、犯行を重ねるたびにより巧妙狡猾、あるときは大胆となり、個人差はあるもののそれは犯人が逮捕なり死亡するまで続く。

一方の『段階』は、まず空想的願望から始まり、それを小さな規模から達成し、やがて現実が自分のファンタジーに到達すると、やがてソレにも満足できず、さらなるファンタジーを追い求める。という救いがたい傾向がある。もちろん、ほとんどの場合そのファンタジーに終わりはない。小動物を殺していたものが、遠からず子猫を殺し、やがて人を殺すようになる――という典型的パターンも殺人者の『段階』だといえる。

これをジャックに当てはめると、彼は女性の胸に触りたい(おそらく無許可であればなおよし)という願望を持った少年時代を送り、もしかしたらちょうど被害者たちと同年代の頃に何らかの心的外傷を残すトラブルを経験したかも知れない。
成年して性的なパートナーを得たがそれだけに飽き足らず、胸を思う存分傷つけたいという加虐的ファンタジーを膨らませた。これは心的外傷を癒やす――というよりも、代償的復讐行為だった。そうして後腐れなく、存分に『楽しむ』ために、近隣の若い――ちょうど自分を傷つけた女性と同年代の女性を襲った。

やがて『成長』を経たジャックは、おそらくその後の数十年、存分に『楽しんだ』だろう。我々が知っているのは、彼が未熟だったころの失敗例だけなのだから……。

などとロバート・K・レスラーだのロナルド・M・ホームズあたりが書いていそうな内容ではあるが、この可能性はほとんどありそうにない。

自宅にいたジェーン・アルソップを襲った事実、そして同じオールドフォードの民家で少女でなく召使いが出てきて逃走を余儀なくされているところを見れば、ブラックヒースの時から手口は成長どころか劣化している。性的な目的であったとしてもアッサリしすぎており、愉快犯の考えた婦女子を脅かすための『いかにも悪魔的な署名的行為』だと捉えるのが妥当に思える。

バネ足ジャックが、やがて切り裂きジャックになった――切り裂きジャックの被害者が乳房を切り取られていたのは『段階』の果てだから―などという夢見がちな説も探せばあるかも知れないが、おそらく珍説にも数えられないだろう。

いっそ、『バネ足ジャック』→『切り裂きジャック』→『キャトル・ミューティレーションを好むタイプの宇宙人』→『宇宙(そら)へ』という進化論まで発展させた方がスッキリする。少なくともちょっぴり楽しい気分になれる。

こういう愚にも付かないことを書いているから記事が冗長になるのである。

青い炎を吹きつけ奴



アルソップのケース、美人姉妹のケース、ポリー・アダムスのケース、アルダーショットのケース。
そのどれにおいても、ジャックは『青い炎』を被害者に吹きかけたとされている。

アルソップの令嬢などは被害をランベスストリート警察に届けでており、スケールズ美人姉妹も医師による診察も受けた。

超常現象の研究で知られるジェローム・クラークの『Unexplained!』によれば、診察はチャールズ・プリッチェル外科医によって行われ、いわく「ヒステリックなパニック状態にあり、激しい興奮に苦しんでいた」としている。

すこし興味深い点としては、ジェーン・アルソップ、そしてスケールズ姉妹は診察で火傷を負っていないと診断されている。

ともかく、それらをソースとして『The Sun』紙、『The Times』『The Morning Post』による報道もなされた。『The Morning Post』では当局の担当官へインタビューも行われた。

事の経緯はよくわかなかったが、どうもジェーン・アルソップは裁判所にも呼び出されたらしい。そこで『被害を疑う』裁判官からいくつかの質問を受けている。

そして、最終的に裁判官は、「証言にあるように、彼女はたしかに何者かによって襲われた」――と判断した。

現在この地球という星において、『生態として火を吹く』生物はその存在が確認されておらず、主に神話や言い伝え――つまりはフィクションの世界にのみ存在する。

ゆえに、いたって良識的な人々はジャックが「火を吹いた」と聞いた時点で、「なるほど、フィクションなのだな」といたって常識的な判断を下す。まだサンタクロースの方が現実味があるよね、と。

そこに「とあるイタズラ好きの貴族が、炎を吐く怪人を演じていたのだ」と言われれば、すとんと腑に落ちた気にもなる。

なるほどウォーターフォード侯爵が、何らかの燃料を使って、サーカスの演目よろしく被害者に向かって火を吹きかけた、と――たしかにこれなら現実的で、なんら超常的ではない。

マイク・ダッシュも
犯人は何らかの液体――おそらくはアルコールを使用したはずだ
と結論を出している。

この『燃料』についてはダッシュだけでなく『The Mystery of Spring-Heeled Jack: From Victorian Legend to Steampunk Hero』のなかで著者のジョン・マシューズも触れているが、『The Times』紙(3.Mar.1838)に当時、アルソップの事件を追っていたリーという捜査官による所感が掲載されている。

これによれば、リーはロンドン病院の協力を得て、『エタノール(spirits of wine)、硫黄、そしてその他の成分』を混合し、ガラス管のなかでジャックの炎と同じ効果が得られることを確認した――とある。

ジェームス・リー捜査官。
ボウ・ストリート・パトロールの元隊員で、アルソップ・ケースの調査のためにランベス・ストリート警察署に雇われた。
犯罪調査に10年以上のキャリアがあり、マリア・マーテンという女性が殺害された事件を見事解決したことで1830年ごろのロンドン界隈における『最高の探偵』という評判を欲しいままにしていた。
画像出典:mikedash.com-閉鎖


これにより、ジャックの青い炎は可能であり、犯行は『超常的な存在』によるものではなく、ふとどき者によるイタズラだったという結論が補強される。

たしかに、エタノールも硫黄も、炎色は青。アルコールランプを想像してもらえば、その青のイメージが捉えやすいかも知れない。

そして、それぞれのケースで出てくるちょっとした小物――ロウソクであったり、ランプ、カンテラ――これらがここに来て、まるで伏線だったかのように重要な意味を持ってくる。

19世紀初頭、ジャックの騒動が起こった1837年。その頃は今と違って100円ライターなど存在しない。現在のマッチの前身となる摩擦式のものが1827年に発明されるが、これは着火具合が非常に悪く、続いてフランスで1830年に黄リンを用いたモノ、1832年にドイツにて白リンを用いたモノ開発されたが、これらは今度は『つきやす過ぎた』、頼んでもないのに自然発火などを起こすために危険きわまりない。その上、重大な健康被害をもたらすため、禁止さえされた。

そうしてまだマシ、という、まだマシな評価を授かる安全マッチが登場するまでには、1845年の赤リン発明を待たなければならない。

フラスコの中で燃える硫黄。
純酸素のなかではかなりキレイな青に輝く。
だが固体からの融点、発火点が高いため、今回のような一瞬でつき、一瞬で消えるような火吹きには不向きのように思われる。
画像出典:Sulfur in pure oxygen


つまりジャック騒動の頃には手軽に持ち歩けるマッチはなく、仮に摩擦式のマッチ(註:現代の『どこでも擦ればつくマッチ』いわゆるロウマッチとは違う、リンを使用したモノ)を持ち歩いたとしても『激しい運動』で知られるジャックであるからして、自らをバーベキュー、自爆炎上となる危険と隣り合わせであった。

そこで、ジャックは『火』を現地調達、ないし安全な方法で持ち歩く必要があった。『燃料』だけ持っていても仕方がないからだ。

そう推定すると、ジャックがアルソップ家を訪問した際の発言

近くの小道でようやく『バネ足ジャック』を捕まえました、なにぶん暗いので、なにか明かりが欲しいのです――

という証言が、いままでとは違う解釈を帯びてくる。

ジャックは『明かり』ではなく、『火』が欲しかったのだ、と。

そうしてヤツは、いそいそと火を持ってきた哀れなジェーンに――彼女の火を使って――青い炎のあがる燃料を噴霧した。

おそらく犯行には、揮発性の高いアルコールが使用されたために、青い炎は一瞬で燃え広がり、そして揮発性が高いために、一瞬で炎は燃料を失い――消える。これにより、ジェーンが火傷を負うこともなかった。
という事になる。

美人姉妹のケースでは、姉のルーシー・スケールズいわくジャックが『ランプかランタンのようなモノ』を手にしていたとも証言している。

なるほどアルファベット順に被害者を捜して火を吹く宇宙人や、火を操るパイロキネシス能力者、あるいはただの集団パニック説よりは、遙かに現実味・説得力がある。

ダッシュは「ジェーンが門から家に戻っている間にヤツは『火炎放射』の準備をしたかも知れない」とも書いている。ウォーターフォード侯爵かどうかは別として、アルソップ・ケースは愉快犯の犯行だろう、と。

すごくスッキリする。

スッキリするが――なんだか引っかかる部分もある。

浅学、科学オンチのオカクロ特捜部ではあるが、『青い炎』を吹きかけることが本当に可能なのか? という疑問がどうしても消えない。

当時の警察も常識的な判断として「『火吹き』に手慣れた者が怪しい!」として劇場などに捜査官を派遣して話を聞いたというが、サーカスやカーニバル、そしてKISSのジーン・シモンズなどがステージでおこなう火吹き芸から、どうしても青い炎が連想できない。

少なくとも、オカクロ特捜部としては、「青い!」という印象をもった火吹き芸を今までに見たことがない。

諸兄は言うかも知れない。

そんな事をグジグジ言ってるからお前はダメなんだよ! どう考えてもダッシュが正しいし、リー捜査官がロンドン病院の協力を得て、『エタノール、硫黄、そしてその他の成分』を混合し、ガラス管のなかでジャックの炎と同じ効果が得られることを確認した、ってさっき書いてただろ
と。

たしかに、炎色はアオではあるのだけれど、どうしてもこの『青い火を吹きかけた』という部分が引っかかって仕方がない。資料を読めば『青』だけじゃなく、『白』もある。なぜ青なんだろう?

気になりすぎて、なにも手につかず、夢にまで見たし、工事現場の段差で車のバンパーは壊れたし、ストレスによる過食で3kg太った。更新がおくれたのも、たぶん全部そのせい。

本当に、報告された『青と白の火球』のようなものが可能なのだろうか?

ダッシュは硫黄には懐疑的なのか、特に触れていないが
アルコールを染みこませたスポンジを口に含み、それを火元に吹きかけることで青い火の玉は可能
と判断している。

だが、誰か試したのだろうか?

ロンドン病院での実験は、資料を読む限り『ガラス管のなか』という事になっている。そういう実験に適した閉鎖環境下ではなく、『open air』戸外、野外、露天で果たして青い炎を吹き付けることが可能なのか?
そこで、簡単な実験をしてみることにした。

Youtuberというワケではないが、大量に画像を貼るとサーバーに負担がかかるので、初の試みとして今回は動画にした。負荷をGoogleの高性能サーバーに押しつける算段である。
ちなみに今回の記事でも、ここまでに使用している画像はぜんぶgoogleに負荷を押しつけている。へへお世話になりやす。

20分程度のモノを想定していたのに、ちょっとした思い付きまで試してしまったため、結局40分をこえる長い動画となってしまった。ヒマなとき、時間があるときにでもどうぞ。先に言っておけば特にめぼしい成果はなかった。




というわけで、初の試みはガッカリに終わった。フォート先生、ドイル先生、俺たちまたダメでした……。
……Good night Youtube。

しかしながら、メタノールがエタノールと比較して、極端に目にしみること。炎を正面から浴びると、外から見るソレとは違うような気がしないでもないような見え方があるかも知れないこと。
これらは発見かも知れない。

だらしねぇなぁ、こうすれば青い火球は可能だぞ」という知見をお持ちの諸兄がおられましたら、当サイトのお問い合わせフォームなり、twitterのDMなり、リプライでご教授いただければ嬉しく思います。再現動画を撮影してURLを送って頂いても結構です。ここに追記する形でリンクを貼らせて頂きます。Youtuberの人もヒマならどうか真相究明のための礎となってください。

実験は失敗に終わったが、よくよく考えれば『青い火を吹きかけるのは容易なことではない』ならば、ウォーターフォード侯爵なり愉快犯なりの犯行説に無理が出てくる――ということでもあるので、最終的にはニンマリだ。

ちなみに、メタノールは体内に吸収されることによって失明を引きおこしたり神経症状がでたりと健康被害をもたらす。

この健康被害に関して
ウォーターフォード侯爵は1837年10月、眼病により自宅療養に入った
という部分と整合性はつく。

メチル・アルコールは過去の日本においては『目散る』などと呼ばれていた事実がある。物資が不足した時代、入手が困難となっていた『酒』の代わりにメタノールを飲んでいた者たちが次々に失明したためである。視力に深刻なダメージを与えるのは間違いないようだ。

青い火はさておいても、ウォーターフォード侯爵が犯行のために頻繁にメタノールを口に含んで、吹いていたというなら、粘膜からの吸収、ないし逆風による自爆などにより、なんらかの眼病を発症しても何らおかしくはなく、スケールズ美人姉妹が炎を吹きかけられて『一時的な失明』を体験したのも神経症の症状かも知れない――と、点と点が繋がっているようにも思える。

しかしながら、『青と白の火球』が、アレなわけで、ふんわりとはしている。
そもそもの自宅療養の話や眼病の話そのものが侯爵犯人説論者による脚色・捏造である可能性もゼロではなく、五里霧中ではある。

個人的に青火の検証を終えていまだに疑問に思うのが、「では、なぜ青い火にしたのか」という点だ。

木材を乾留させて作られていた木精=メタノールは危険物と分類されるだけあって、取り扱いには注意を要する。すぐに蒸発するし、すぐに火がつくし、すぐに健康を害する。言ってしまえば面倒な物質だ。

上記の特徴にくわえ、思い通りにならないとすぐに不平不満を口にする、自分へのご褒美が多すぎる――という点を加味した上でも、メタノールと比べれば諸兄はまだ可愛いレベルなのである。

『赤い火の火吹き』なら、それほど工夫・苦心をせずとも比較的容易に再現できたろうに、どうして手間のかかる青にしたのか?

そうして仮に、アルコール・ベースの燃料をつかったとしても、動画で見られたように、どれほど好意的に評価しても炎色は『赤と青』であり、『青と白』には見えない。

結局、まるでわからない。


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180年の孤独

結局、お前は何がしたかったんだよ!
と我慢強くここまで読んだ諸兄は記事の浮遊感に憤るかも知れない。

正直言うと、オカクロ特捜部としても、どうしたかったのか分からない。

ウォータフォードが犯人だったかどうか――の以前に、果たして誰かがバネ足ジャックを演じることが本当に可能だったのか――という場所でいまだに立ち往生している。

諸兄の溜飲も下がるほど格好いいSHJ図。
ジャックが洗練されてゆくとバットマンに近づく――と思われるかも知れないが、実際はバットマンがバネ足ジャックからインスパイアを受けているという指摘は少なくない。
チェコのスプリンガー同様、同系統のアンチヒーローたちの原型となったのかも知れない。
画像出典:THE BLOODY ROOK


マイク・ダッシュによる薫陶、一連の報告に目を通した者は『ウォーターフォード侯爵の話はともかく、悪戯者の犯行』という立場になるだろし、そうでない者はピーター・ヘイニングの呪縛の中にあって『“いかにも説得力のある”ウォーターフォード犯人説』が真相だと思い込んでいるかも知れない。

ジェローム・クラークもウォータフォード犯人説には懐疑的なようで、「身体的に可能ではなかったろうし、侯爵がバネ靴で跳んだ――という話もない」とあっさりと済ませている。

ともかく、この2大派閥がバネ足ジャックというトピックの中心にあって、その他の説に関しては、論ずるに値しない――と爪弾きにされる程度には少数派にあまんじている。

宇宙人説はどうにもヴァイナーのやりかたがマズかったし、UMAとするには人間くさすぎる。地底人説に関しては、唱えたオカクロ特捜部が信じていないという不毛な状況に陥っている。

この『バネ足ジャック』というトピックに関してのコメントを、なにかの機会に求められた場合のベターな対応を書いておけば
まぁ、悪戯だったろうね
という立場を取っておけば、手堅く、まず恥をかかない。これが無難な対応となる。

銃弾が効かなかったとかいう、アルダーショットのケースに関して言えば、あれは効かなくて当然。空砲だったからね。つまりは装填されたのが空砲である事を知っていた警備隊内部の人間による悪戯が濃厚ってワケよ
と最後にでも付け加えておけば、オタク諸兄の大好きな『知識マウント合戦』で優位に立てるかも知れない。

しかしながら、「ただの悪戯だった」という結論は、この記事を読む以前の知識でも充分語れること――であるからして、これはオカクロ特捜部の敗北を意味する。ここまで読んだ諸兄も人生の数分を無駄にしたことになり、なんだか申し訳なく思う。

とはいえ、よくわからないモノを、よくわからないと評することは決して無責任ではない――ので、よくわからないという事にしておきたい。

あまり格好良くないSHJ図。
こちらはアルダーショット・ケースを描いたモノ。
捉えかたの問題かも知れないが、銃弾が無効どころか、かなり――致命的に効いているように見える。
ちなみにアルダーショットと同じような事件が1870年代にコルチェスターの英国軍キャンプでも起こったという。
画像出典:Unexplained! / Courtesy Fortean Picture Library


バネ足ジャック騒動は遙か昔の出来事だ。
1837年、英国から遠く離れた日本では天保8年、ちょうど、ある儒学者が江戸幕府への反乱を起こしていたころにあたる。いわゆる『大塩平八郎の乱』である。

おそらくもう、一連のバネ足ジャック事件において、あらたな証拠が発見されることは望めないし、真相が明らかになることも期待できない。二大派閥は台頭し続けるであろうし、オカルト研究家を称する人たちがUMAなどとからめて『ビジネス』の種にもし続けるだろう

前述したように英国では過去に『ハマースミスの幽霊』や『ダービーの幽霊騒ぎ』『ロンドン・モンスター』などの幽霊騒ぎが起こっており、バネ足ジャックもそれらのいちジャンルに過ぎなかった。

現在に伝えられるイメージが定着するまでは、幽霊、貴族、黒人、怪物、クマ、ヒヒ、カンガルー、そして宇宙人――と様々な『正体』が論じられ、やがてそれが黒衣の怪人バネ足ジャックというイメージに集約されてゆく。

そうして小説やマンガで何度も取りあげられることで、その存在は『怖い怪人ながらも、ユーモラスでどこか憎めない悪戯者』として息の長いコンテンツとなった。

いまや使われることはなくなったが「良い子にしないとバネ足ジャックが来るぞ」――そんな日本でいうところの『秋田のなまはげ』に相当するような決まり文句もあった。実際に来たところでどうという事もないが、文化に根ざし、教育にもその存在が利用されてきたことは事実だ。

迷信が色濃く残っていた時代の産物であるな
と冷静に評する諸兄もいるかも知れない。

パンとサーカスだけで満足していた無知な民衆が、科学的知識もなく迷信と敬神と俗信だけを灯火として生きていた『夜明け前』の他愛のない話だろう、と。

だが当時も理性的な判断は存在したし、リー捜査官による現実的な『犯人』探しも行われていた。だがジャックは活動し続け、多数の人々による目撃報告を歴史に残した。

迷信なり俗信をバカバカしいとし、「今の時代に幽霊、バケモノもあるまい」とする向きは当時から存在したが、その言葉は180年後の今も理性的な大人たちによって、さながら教義のように呟かれ続けている。
いまどき、こんな、という呆れがちの言葉が高度に発展した通信技術の利器を使用し、ブログやSNSなどに投稿される。

そんな現代、2016年。
アメリカはサウスカロライナ州の小さな町で、当地の警察にある通報が入った。

それは、「ピエロが森の中で騒いでいて迷惑だ」という匿名の人物からによる通報で、それによればピエロが森の中に子供を連れ込もうとしているらしい。

これをきっかけとして、短い期間で全米にパニックが広がり、学校は休校となり、逮捕者は続出し、果てにはホワイトハウスが言及するまでの事態に発展した。記憶に新しい『殺人ピエロ騒動』である。

ちなみに、ハンバーガー・チェーン店マクドナルド社のマスコットであるドナルド(米名ロナルド)もこの時期には活動を自粛したほどの事態だった。個人的にはマクドナルドのキャラクターはどいつもこいつも気味が悪いので妥当な判断だとは思う。

ともかく、このピエロパニックを引き起こした要因の一つに、各種SNSの存在が挙げられている。

Facebookで注意情報が拡散され、Twitterに殺人ピエロのアカウントまで登場し、恐怖情報が広く多くの人にシェアされた。水面に投げられた小石が、その実態よりもはるかに大きな波紋を幾重にも作り上げるように、拡がり、やがて消えてゆく。

デマに惑わされるな」と理性的な人たちもSNSでの発言を繰り返したが、それはそれほど人気のあるトピックにはならず、『恐怖のピエロ』情報は恐怖と話題性を燃料にして、最先端のIT機器をエンジンにし、地球の裏側まで駆け巡ることとなった。

信じ、熱心に拡散した者からすれば、信じない者や否定する者が自分や自分の家族の身の安全を完全に保障してくれるものではない――模倣犯も現れるかも知れないのだから、警戒して何が悪い。とするスタンスもあったろう。

デマかも、と思いつつも不安視し当事者にならぬよう警戒する。そんな行為を無知ゆえの愚行と嗤い、大上段から「啓蒙してやる」というスタンスで物を言う否定派の不遜な態度に反発した層もあったかも知れない。

おそらく1837年、そして2016年にも、同じような対立構図があって、同じような人間模様があったのではないか。

嫌いな人の真実よりも、好きな人の嘘がいい」と、ある女性思想家は言ったが、いつの時代もきっと、人は説得されるより、納得したい生き物なのだろう。

かくして、現代でも『ジャック』は形をかえて現れうるし、未来もきっとそれに変わることはない。

ぴょんぴょん跳ねるバネ靴の怪人に怯えた人々、緑色のレーザーを放つ殺人ピエロに怯えた人々。遙か遠い未来――そのころの人類はいったい何に怯えているだろう。


■参考資料
ロンドンの怪奇伝説
Spring-heeled Jack To Victorian Bugaboo From Suburban Ghost – Mike Dash
週間XZONE 39
ForteanTimes #297-Spurious spirits #310-The Haunted Landscape
The Mystery of Spring-Heeled Jack: From Victorian Legend to Steampunk Hero
Spirits of an Industrial Age: Ghost Impersonation, Spring-heeled Jack, and Victorian Society←ForteanTimesに記事書いてたJacob Middleton
マゴニアへのパスポート ジャック・ヴァレ 著/花田英次郎 訳
Unexplained!: Strange Sightings, Incredible Occurrences & Puzzling Physical Phenomena
Skeptic-MonsterTalk
Humanoid Encounters: 2010-2015: The Others amongst Us (English Edition)
The Strange History of Spring-Heeled Jack
;地底都市の巨神
mikedash.com 閉鎖
Bogeyman or Spaceman? The legend of Spring-heeled Jack – Dr David Clarke
20 haunted places in Derby perfect for finding ghosts and ghouls– Derby Telegraph
Henry Beresford, 3rd Marquess of Waterford – wikipedia
全米に広がるピエロ騒動に政府も介入「ピエロ恐怖症」との指摘も – AFP通信
■他資料
「未知」への事典 – コリン・ウィルソン

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