告知
またお知らせです。新しい記事は近いうちに。出版社、小売り、そして著者までもが売れないであろうと想定していた書籍版『オカルト・クロニクル』ですが、予想外の反響を頂いております。
発売直後、品薄を察した転売業者たちの引きおこした第一次『品薄戦争』を覚えておられるだろうか。
定価の倍という、ずうずうしい値段設定の業者、1000円程度の上乗せで我慢したやや遠慮しがちの業者――彼らは転売にあらずんば販売にあらずをスローガンに我が物顔でAmazonマーケットプレイスを席巻していた。もちろん、上乗せされた利益は出版社――そして著者のもとには届かず、すべて転売業者、そしてそれらを野放しにするAmazonへ手数料として収まっていた。
やがて「初版には誤字脱字、あとアホみたいなミスが多い」という噂が広まると、珍本コレクターまでが騒動に参入し、事態は混迷を極めた。
心ある者たちは落胆し、諸兄連合は閉眼し、買えていない者たちの嘆願だけが場にむなしく木霊していた。
買えなかった者。彼らのそのほとんどはインターネットで購入することに抵抗がない――どころか、「本は書店で買える」という旧来の価値観すら忘失したデジタル世代であり、実のところリアル書店には結構在庫があったとかなかったとか、そんな話になる。
ソロモン王は「なくなっているモノを数えることはできない」と言ったが、現代社会においてはAmazonになければ、その商品はその実在すら疑われる。彼らにとって、『ポチる』ことが買うという行為そのものであり、ポチれなければ購買にあらず――と、あるネットユーザーは我々の取材にまばたきをしない眼で語った。しまいには「Kindleでポチりたい」などという、デジタル世代の極北のような者までが現れ、声高に不満を訴え始めた。
(ジュンク堂さん、書泉ブックタワーさん、紀伊国屋さん、あとビレバン・イオン都城店の店員さん、たくさん現物置いてくれてありがとう)
ともかく
在庫状況が悪化の一途を辿っていた2018年9月12日。追加――重版ぶんが取次経由で市場にもたらされると、急速に在庫が回復し、税込定価1944円をこえて販売していた業者たちは資本主義の原理にあらがえず、あえなく駆逐される。
涙の雨と嗚咽の雷鳴を生んでいた暗雲は遠く過ぎ、くすんでいた子供たちに笑顔が戻り、若いカップルたちは永遠の愛を誓い、老人たちは穏やかに暮らしてゆける、正義は果たされたのだ。誰もがそんな好ましい未来の到来を肌の一番浅い部分で感じていた。
だが違った。
間もなく重版分がハケてしまうと、地下に身を潜めていた転売業者がしこたま在庫を抱えてふたたび地上に現れた。そして、いけ図図しくも再び強気の値段設定で相場のつり上げを画策した。世にいう第二次品薄戦争である。
通販サイトにおいては現在確認できただけで、Amazon、楽天、セブンネットショッピング、タワレコ、HMV、ツタヤ、紀伊国屋オンラインで新品在庫なし。もはや転売業者の猛威を止めることはできない。我々には蹂躙されるに任せて、ただ涙を流す権利だけが残された。やがてそれも枯れてしまうだろう。でもリアル書店にはまだあったりするのだろう。
「だからKindleでポチらせれば品薄とかにならなかっただろ、なぁ」とかいうデジタル世代からの声も聞こえてきそうであるが、そもそも、売れることがまったく想定されていなかった記念品のような位置づけの珍本なのでその言葉はむなしい。
ともかく、品薄はもう仕方のないこと。むしろ小売り各方面が在庫の山を抱えて落涙せずに済んだことは喜ぶべきことかも知れない。
注意して欲しいのが、定価1944円以上で販売してるのは全部転売なので、わざわざ高値で買わずメルカリなりヤフオクで買ったほうが良いと思います。あと著者が見本15冊ぐらい持ってるので、転売業者のかたはそれを2100円ぐらいで買い取ってくださいね。
長ったらしい余談はともかく、「まだ入手していないけど、高値で買うほどのモンじゃない」とお考えの方に耳寄り情報です。
遅い告知ですが11月、書泉ブックタワーさんにて洋泉社協賛の販促イベント、発売記念トークショウ&サイン会が開催されます。
11/16(金)19時より開催!!『オカルト・クロニクル』(洋泉社)発売記念トークショウ&サイン会
書泉ブックタワーさんで当日本を購入された方、予約されたかた限定のイベントで先着50名――つまりは50冊は在庫があるということ。定価で買えるのでオススメです。
デメリットとしては、著者によるサインがはいってしまうため、転売には不向きという点だけ。
当日は一点豪華主義と言うことで、なんとASIOSの本城代表がゲストとして来られます。本を定価で買えた上に本城代表に会えるというプライスレスなイベントになっておりますれば、まだ買っていない――買えなかったという人は是非。
トークと言われても特に主張したいこともないのですが、「いいから何かしゃべれよ」ということなので
①昨今のオカルト界隈についての個人的な所感と展望、そして生存戦略のご提案。
②赤城主婦失踪事件――超能力捜査の是非と実体。 ・暴かれてきた霊媒・霊能力者たちのインチキ。
③記事に書かなかった些末な話。 ・良栄丸
・赤城主婦失踪事件
・井の頭バラバラ事件、八丈島火葬場七体人骨事件に関する読者からの指摘。
・小ネタ。グリコ・森永事件についての個人的な体験。
④やたら気になる怪事件、奇現象、ヒューマノイドなどの紹介
⑤記事作成のすすめ。
⑥オカルト・クロニクル・クロニクル ・苦難の歴史
・廃止になった『諸兄の溜飲』シリーズの闇
⑦結局記事にしなかったいくつかのケース
以上の話題で時間を稼ぎたいと思います。
自分はあまり世間様の前に出てよいタイプではなく、どちらかというと下水道の洞穴とかに人知れず棲息するミュータントみたいな系統の人間なので、たぶんこれが最初で最後の機会になるかと思います。
のでので買っていない方はこの機会に買うとお得かも知れません。以上、よろしくです。
11月のイベント
— 松閣オルタ (@matukakAlt) 2018年10月2日
オカクロ特捜部、諸兄連合、そしてasios本城代表が一堂に会するという歴史上類を見ないイベントになっております。参加には本を買う必要があるそうなので、まだ買ってないという不届き諸兄はこの機会に是非。
おれ、表に出ていいタイプの人間ではないので、最初で最後の機会になると思 https://t.co/v0SySrtbh5
■参考資料
・オカルト・クロニクル