オカルト・クロニクル書籍化のお知らせ +初版正誤表

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苦節5年ぐらい。好き勝手にだらだら書いてきた。
ビリーバーとなるには信仰心が足りず、懐疑派となるには知性が、否定派となるには信念が足りない。そんな、悠久のゆらぎの中に我々はいる。
この書は、オカルト界隈においてまったく無名の辺境サイトが荒廃の中から健全な精神を培い、わずか数年で書籍化をなし遂げた奇跡を通じ、我々『子羊』――導いてくれる羊飼いもおらず、守ってくれる牧羊犬もいない、ただ道に迷い続ける――か弱い子羊たちのもどかしくも屈折した成長の軌跡をあますところなく記録したドキュメントである。

振り向いたら明日が見えないよ

ようやくサイトが更新された――と期待された諸兄には残念な話となるが、今回はお知らせです。

Twitterのほうで先に情報が回ったことにより既にご存じの方もおられるかも知れませんが、このたび、怪奇秘宝シリーズなどでお世話になっている洋泉社さまから、書籍版『オカルト・クロニクル』が出版していただけることになり、その告知と販促をかねた記事となります。



オカルト・クロニクル

オカルト・クロニクル

Posted with Amakuri at 2018.8

  • 著:松閣オルタ
  • 出版:洋泉社

一方的に懐疑するでもなく、盲目的に信じるでもなく、ひたすらに収集分析するというフォーティアン的な立ち位置のオカルト読本!
インターネット・サイト『オカルト・クロニクル』の書籍化。ネットや評論家の間では、その分析力と文章のセンスは高く評価されており、内容も徹底的な資料分析による高濃度かつ抜群の面白さ。老舗雑誌『ムー』や過去のオカルト本が取り上げながらも、言及をさけてきた「真相」をレポートする内容は圧巻にして秀逸。主宰者・松閣オルタ氏は『怪奇秘宝』でもレギュラー執筆者として活躍中。《文:TOWER RECORDS》




正直なところ、高く評価されているなんて話は聞いたこともなく[要出典]とタグをつけたい気持ちに駆られます。でも褒められると嬉しくなります。

今年の上半期にぜんぜんサイトを更新しなかったのは書籍化に向けての諸作業にリソースを振り分けていたからなのです。
ゆえに「サボってる」だの「だらけてる」だの「意識低い」だのという諸兄らの嫌みったらしい批判は総じて的外れだったワケです。人は自らの知る範囲の世界をもとに誰かを批判しがちですが、自分には知り得ない事情があるかも知れない――という視点は大事にして欲しいとお兄さんは思います。それこそが、きっと、人々が優しさと呼んできたものだから。

ともかく、公正を期すために書いておけば、「新記事たくさん」というワケではなく、新記事ひとつに過去のムック本に寄稿させて頂いた記事、そしてサイトにて公開している記事を収録したモノとなっています。以下にいくつか目玉記事と思われるモノを紹介しておきます。

赤城神社主婦失踪事件
新記事。1998年5月、群馬県の三夜沢赤城神社に訪れていた千葉県の主婦が『まるで神隠しに遭ったかのように』姿を消した事件。

今回、この事件について言及される際にたびたび俎上に載せられる「失踪当日に撮られたホームビデオ」映像をASIOS代表の本城達也氏の協力により入手。その映像を読み解き、現地での取材・再現も加えて、いままでとは少し違う角度で事件を見直す。ホームビデオの静止画も本書に掲載。

過去に当地で起こり、そして忘れ去られてしまったオカルティックな事件や刑事事件などとの関連も探る。

長岡京ワラビ採り殺人事件
オワレている たすけて下さい この男の人わるい人」で有名な1979年の2主婦殺人事件。正式名称“奥海印寺山中における主婦殺人事件„

ムック本に掲載した内容に、これまで「関連あり」と噂されてきた『1984年5月の長岡京主婦放火殺人』の事件詳細を加筆。

セイリッシュ海に漂着する足首事件
2007年からカナダとアメリカの国境沿いに広がるセイリッシュ海に次々と人間の足首が漂着した事件。
資料から得られた情報を元にあれこれと可能性を探る。ムック本掲載。

その他多数の記事
サイトに掲載された内容に最新情報を少し加筆。新しいアイキャッチいくつか。
記事の選は担当された編集者の方の好みなので、自身の好みと照らし合わせると楽しいかも知れない。


比較的どうでもいい話
というわけで、怪奇秘宝を買ってくれていた諸兄にはやや目新しいモノが少ない内容になっており、申し訳なく思う。
本当は新記事を多数追加する予定だったが、仕事との兼ね合いで時間がなかなか取れず間に合わなかった。至極無念である。

実は、以前にも書籍化の話をメール等でいくつか頂いていたけれど、疑り深い懐疑派よりも疑り深いメンヘラ女――よりも疑り深いオカクロ特捜部としては

「ふふ、知っているぞ、これはいつだか同人界隈の人に聞いた出版詐欺というやつに違いない。ひとの虚栄心だか承認欲求だかを刺激して、なんだかんだでお金をむしり取るという。ふふ、こんなモノに騙されるマヌケな特捜部ではないのだ。だいたい売れるワケない――当サイトにおける読者諸兄の驚異的ともいえる財布のヒモの堅さをご存じないとみえる」

とメールに返信すらしていなかった。が今回はお世話になっている編集者の方からの打診と言うことで、謹んで受けさせて頂いた。

「私は悲しい。紙媒体で出したから、今後はサイトの更新をおこなわず紙媒体あるいは他メディア主軸の活動にすり替わってゆくのですね。そうX51.orgの佐藤さんのように。札束握ってクレイジーなジャーニーにイッテQなのですね」

とかいうお声も幾つかいただいたが、そのようなことはありません。そんなヤラしいこというと佐藤さんに怒られますよ?

むしろ今回が特別というだけでサイト更新は継続する予定である。このような四方八方に噛みつく狂犬のような――あるいは動く地雷原のような危ういサイトを詐欺目的以外で書籍化してやろうという殊勝な出版社がそうそうあるワケもなく、最初で最後の機会になるのは明白なのである。記念碑的な位置付けの書籍である。

ちなみに読者の方からいくつか問い合わせがあった販促イベントも、ある会社から「出版記念イベント&サイン会やりませんか」という連絡を頂いたが、ソワソワして返信に躊躇しているうちに時機を逸したのか、ようやく返事をしたけれど、それっきり、もう向こうからの返信はなかった。本気だったのか、そうじゃなかったのか、もう、永遠にわからない。ただ虚ろな疑問符を抱え込んだままの我々を置き去りにして、ヒグラシが雨を喚び――遠く雲は行き――、我々が果敢に生きた平成時代――その最後の夏が過ぎてゆく。私は麦100% 大分麦焼酎 二階堂。

怒られそうな冗談はともかくも、『あとがき』に書かせて頂いたが、刊行によって得られた収益は例によってすべて今後の調査費用・活動資金に充てる予定である。ので可処分所得たっぷりな諸兄におかれましては半ば支援・投資感覚で本を買っていただければ、著者もニッコリ諸兄連合もニッコリ、出版社もニンマリ、と貴方の支援からこれだけ多くの笑顔が!

というわけで、発売日は2018年8月23日ごろで、amazonさんでも予約受付が開始されていますのでどうぞよしなに。
すでに予約してくださった殊勝な方はありがとうございます。

サイトのほう。ここ数ヶ月は書籍化に係わる諸作業により更新が滞っておりましたが、今後は平常運転に戻ります。
サイトの次回更新内容は――書籍収録に間に合わなかった新古品記事になりますが、今後ともよろしくです。頑張ります、押忍。

オカルト・クロニクル特別捜査部
主筆 松閣オルタ




追記:重版のお礼と初版正誤表
予想外の反響ありがとうございます。驚くべき事に発売日当日に重版が決定いたしました。

これまで「財布のヒモが堅い」とか「甲斐性なし」だとか、読者諸兄を侮辱したり、名誉を傷つけるような発言を繰り返したことを慎んでお詫び申し上げます。お金持ちとわかったからには、今後は末永く親密な関係を築いてゆければよいな、などと私めは考えております。いっそ『朋友(ポンヨウ)』と呼ばせていただいてよろしいですか?

現在、Amazonでは売り切れとなっており、一部の書店でも売り切れ――あるいは未入荷にてやや市場が品薄状態になっているようですが、セブンネットショッピング、楽天ブックス、タワレコさんあたりには在庫があるそうです。
余談ですが新宿の紀伊国屋さん、平積みで一番前に置いてくれてありがとうございます。これからは『朋友』と呼ばせていただきます。

この品薄がいつまで続くかよくわかりませんが、それにつけこんでか、あるいはすぐに絶版になると踏んでか、Amazonマーケットプレイスでは転売屋の手の者が幅をきかせておられます。定価の2倍といういささか強気の価格設定で暴利を貪ろうとしておるのです。これには少し草が生えました。
賢明な朋友におかれましては転売屋など相手にせず、耐えがたきを耐え、忍び難きを忍び、いましばらく2版が出回るのを待っていただけたらと思います。

そして初版のほうでいくつか文章に誤字脱字、誤表記、誤用がありまして中には重大なミスもありました。「正確な情報が重要である」と偉そうに説いておきながら、この体たらくで面目ありません。校正マンに責任はなく、ただ元の文章が酷すぎたのだと思います。

2版では直っていると思いますが、以下に初版を購入していただいた方々むけに現在判明しているミスを掲載しておきます。

ミス発見に協力してくださった皆さん、ありがとうございました。


※new!のついたものは2版でも直っていないかも知れません。申し訳ない。
P.002 下段 5行目 若かれし日 → 若かりし日

P.006 上段 8行目 「コウモリがごとく」→「コウモリのごとく」

P.029 上段 14行「この雪の~」冒頭部分がボールドでない

P.046 ルステム 左列 23列目 1・5.センチ → 1.5センチ

P.048 サシャ 右列 24列目 大きさの8x6センチ → 大きさ8x6センチ

P.050 左列 最後の行 約束していが→約束していたが

P.050 右列 2行目 5月4 → 5月4日

P.054 6月17日 木曜日→水曜日 new!
P.60 下段 13行 女子高生G → 女子大生G new!
P.78 下段 4行目 午前4時4時 → 午前4時 new!
P.162 下段 4行目 建築事務所に修飾した → 建築事務所に就職した

P.162 下段 12行 多くを裂いた → 多くを割いた

P.182 下段 14行目 興味深い被害者と → 興味深い。被害者と

P.186 下段 2行目 9行目 特種 → 特殊 new!
P.187 下段 1行目 特種 → 特殊 new!
P.195 下段 10行 捜査に裂ける → 捜査に割ける

P.204 下段 16行 含めたものなるが → 含めたものになるが

P.210 上段 5行目 「流れ仏」 → “流れ仏”

P.211 下段 3行目 「の。」がボールドでない new!
P.217 上段 9行 ジェデディア → ジュデディア

P.234 下段 7行目 長岡市 → 長岡京市

P.267 下段 9行目 遠く2500キロ離れ → 遠く340キロ離れ(そもそもサイト上のテキストからして間違っていたのでそちらも訂正)

P.302 下段 後ろから5行目 中学性 → 中学生

P.329 下段 1行目 統括 → 総括 new!
P.330 上段 後ろから2行目 統括 → 総括 new!
P.379 下段 最後の行 画面右側に去って行く → 画面左側に去って行く
P.394 下段 16行目~17行目あいだ 引用元表記抜け →(『UFOと宇宙』NO.22)

P.397 上段 画像注釈 疑われた「傘差人」画面右側の → 疑われた「傘差人」。この人物が画面右側の

P.402 上段 3行目 午後22時 → 午後10時 new!
P.414-415 「神のいないエデン――フロレアナ島のアダムとイブ」が重複


オカルト・クロニクル

オカルト・クロニクル

Posted with Amakuri at 2018.8

  • 著:松閣オルタ
  • 出版:洋泉社

この書は、オカルト界隈においてまったく無名の辺境サイトが荒廃の中から健全な精神を培い、わずか数年で書籍化をなし遂げた奇跡を通じ、その栄光に貢献したか弱い子羊たちのもどかしくも屈折した成長の軌跡をあますところなく記録したドキュメントである。




■参考資料オカルト・クロニクル
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