増補新装版 オカルト・クロニクル 発売のお知らせ +初版正誤表

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2018年。ある一冊の書籍が刊行された。
発売日当日から発行部数が少ないがゆえの混乱により、買い占め・転売が横行――書籍ながらに新興国通貨よりも激しい値動きを見せ、投機スジでさえ顔をしかめる相場が続いた。書籍を買えなかった者は浅薄きわまるマネーゲームに義憤の涙を流し、その一方で買えた者は買えた者で、通読に耐えないレベルの誤字脱字に涙した。
「私はお金を出して本を買ったはずが、気がつけば初版の校正要員として利用されていたのです」――涙ながらにそんな憤りを語った読者もいた。だが初版だけではなかった。

この書は、オカルト界隈の荒廃に戦いを挑んだ読者と著者の記録である。界隈においてまったく無名の弱小サイトが荒廃の中から健全な精神を培い、わずか数年で絶版からの復刊をなし遂げた奇跡を通じ、その原動力となった猜疑心と信奉心そして読者と著者、その子羊たちのもどかしくも屈折した成長の軌跡――はひとまず脇において、さまざまな怪事件を調査したドキュメントである。

愛は奇跡を信じる力よ

 
増補新装版 オカルト・クロニクル 奇妙な事件 奇妙な出来事 奇妙な人物

1年と3ヶ月ぶりにサイトが更新された!――と期待された諸兄には残念な話となるが、今回はお知らせです。

例によってTwitterにて先に情報が出回っておりますが、以前洋泉社から出していただいて――あえなく絶版となっていた書籍の増補新装版が二見書房さまから出ます。

以前、「ふん、どうせお前は書籍が出たら実入りの良い仕事ばかりにかまけてサイトの更新をしなくなって、某 X○○.org1のSさん2みたく俺たちを見捨てるんだろう。いいのさ、もう慣れちまったよ。イイ男なんてみんなそう」と諸兄連合からは場末のバーのママがごとく疲れた目で見られていたが、いま数えてみれば書籍刊行後もサイトに3本ほど記事を書いているので菅元総理ふうにいえば、その指摘はあたらない。

ともかく、新装版では
・旧版の収録記事に加筆修正

・新記事1本 書籍第二弾のためにストックされてた『エミリー・サジェのドッペルゲンガー』

・過去ムック等に掲載された記事『城崎一家全滅事件』『秋田山荘事件』『数字で学ぶ日本の異世界――心霊スポット統計学』などコラムを含む数記事

・まえがき、あとがきを一新

という具合になっており、数えてないし本当かどうかわからないが旧版より50頁ほど増えてるとかなんとかtwitterで見ました。本当だろうか。

ともかくも旧版を持っておられない諸兄諸姉には少々お得感がある仕上がりになっておりますので是非お手元に。
いっぽう旧版を持っている――あの過酷な品薄戦を生き残ったタフな諸兄諸姉にあられましては、『愛を試されている』と考えていただいて結構です。

旧版のほうは品薄の影響で転売が横行し、どうにか版は重ねたものの結局大して売れないまま洋泉社が解散、書籍は第4版ぐらいで絶版になったように記憶している。

そもそもの話で言えば品薄は出版社や編集者、小売、そして著者までが「そんな売れんじゃろ」という認識であったことに起因した人災であったが、実は今回も出版社や編集者、小売、そして著者までが「そんな売れんじゃろ」と考えている。なぜか? しょせん焼き直しだからだ。

このような事情もあり今回も品薄になるかどうかは不透明であるが、「活動資金の援助のつもりで買ってやろうかな?」という殊勝な諸姉兄にあられましてはAmazonなどで予約しておくとその部数ぐらいは確保されるんじゃないかと思います。活動資金に充当いたします、サイトもちゃんと更新いたします、4年で記事3本――1年に0.75本ていどで偉そうにしません、なのでどうぞ何卒。へへ

で、いま見たら発売日は9月21日――明日でした。まいったね。
ちゃんと著者らしく事前に宣伝・告知します! 頑張ります!」と宣言していたのにこの体たらくで出版関係者に深くお詫びいたします。

今後の展望としては、サイトや商業媒体掲載用のオカルティックな事件、未解決事件などの取材をそのまま継続しつつ、『報道された奇妙な事件事典インデックス』的なものを私家版なりで出すべくソースの収集にあたります。読者諸姉兄も新聞などに掲載された奇妙・不思議な出来事や事件などの情報・記事スクラップなどお持ちでしたらぜひ不肖松閣に恵んでやってください。へへ。


そして、新装版の初版にまた誤字・脱字、ミスなどがございましたら、twitterでもサイトのメールフォームでも構いませんので松閣のほうへお知らせください。別に無償の校正要員だなんて思ってやいませんが、せっかくですしね。
では『増補新装版 オカルト・クロニクル』よろしくお願いします! 押忍!



初版正誤表



発売日からやや過ぎて、誤字脱字報告がまったくなかったので、今回は完璧だったのかな? あるいは誰かさんお仕事サボっちゃってるのかなかな? とかのんびり考えていたら、ドバっとミス報告が舞い込みましたのでここにお詫びして訂正します。大変失礼いたしました。

P015~017 ディアトロフ隊の人物紹介、本文中にて《愛称は太字で》と説明しているが、名前がすべてボールド

P026 上段 2行目 《あえてここではでは》→《あえてここでは》

P012-037 記述見直し中

P031 下段 3行目及び11行目 《Melki》→《menkvi》

P119 下段 5行目 《間違え》→《間違い》

P140 下段 2行目 《いや先生》→「い」がボールド抜け

P148 下段 後ろから2行目 《オカクロニとしては》→《オカクロとしては》

P148 下段 8行目 《おそれらく》→《おそらく》

P206 下段 1行目 《長岡市長》→《長岡京市長》

P281 上段 4行目 《オカクロニとしては》→《オカクロとしては》

P334 下段 5行目 《(平成)》→ 《(平成30年)》

P315 下段 4行目 《一部がをもとに》→ 《一部が奇跡をもとに》

P349 上段 5行目 《宮古町》→ 《宮子町》

P365 上段 5行目 《優しや》→ 《優しさ》

P398 キャプション 《出自を調べ、》→ 《出自を調べた》

P398 上段 4行目 《公文書保管所された》→ 《公文書保管所に収められた》

P428 上段 後ろから6行目 《笹原佐保》→ 《笹沢左保》


 
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