ワイオミング事件―真実はフィクションの中に
ニュース番組の映像が乱れ、唐突に奇妙な映像が始まった。『333-333-333 これから特別なプレゼンテーションを行う』浮遊感のある音楽とともに、映像が視聴者に語りかけた。お前は病気だ。お前は道を見失った――と。そしてなんら具体的な『提案』もないまま映像は途切れ、事態に気付かないニュースキャスターが平然と選挙戦の行方にコメントする。電波ジャック、ワイオミング事件。真実はどこにあるか。FromWyomingwithhate.アメリカはワイオミング州。のどかな中西部――その中でもとりわけのどかなニオブララ郡の小さなテレビ局で事件は起こった。ローカルニュースの放送中に映像が乱れ、奇妙な映像が映し出された。不気味な人物と幾つかの文章からなるその映像は、なんらかの『表明』かと思われた。以下の映像がその時のものである。簡易的な字幕もつけておいた。この6分ほどの『特別なプレゼンテーション』が放送局が意図しない形で流れてしまった。当時、この映像をリアルタイムで見た者は嘔吐や頭痛などの体調不良をきたし、病院へ駆け込んだものもいた。もちろん「あの気味悪い放送はなんだ!」とテレビ局への苦情も殺到したという。...